タイリピーターの方は、だいたいAIS、DTAC、TRUEのタイの3大キャリアのSIMを使っているはずです。
皆さん、インターネットが繋がりやすいとか、4Gが対応しているとかいないとかは、よくネット上でコメントされてますが、そもそもこの3社はいったいどういう会社なのかご存知でしょうか?今回は3回シリーズでタイの3大キャリアについて解説したいと思います。
まず、トップバッターはタイの最大キャリアーであるAISからです。
AISの正式名称は、Advanced Information Service Public Company(アドバンスト・インフォ・サービス公開株式会社)でタイの移動通信事業会社です。まあ、日本的に言うとキャリアです。タイでは日本のように、移動通信事業会社のことをキャリアと呼ばず、オペレーターと呼ぶことも多いようですが。タイには、AISの他にも、DTAC、TRUEと日本と同じように3大キャリアがあり、その中でもっとも規模が大きいのがAISです。
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AISは、あの元タイ首相、タクシンさんのシン・コーポレーション・グループの子会社で、1986年4月24日、タイ電話公社から携帯電話の事業権を取得し、携帯電話を事業に参入しました。日本で言えば、NTTドコモを時の総理の安部さんが持っている会社の子会社として運営しているようなもんですから、儲からないわけがないですね。
その影響もあり、タイでの電話の普及とともに大会社に成長、タイ国内最大のシェアを誇る最大キャリアになったのです。
タクシンさんは、現在は政治犯として国外逃亡?しか形になっていますが、やはり経営者としては優秀だったようで、AISは非常に合理的な経営で業績を伸ばし、財務面も磐石、リーマンショックでも殆ど影響を受けませんでした。子会社からスタートした携帯キャリアでしたが、もともとタイは電話の普及が遅かったので、携帯ビジネスは大成功、現在は、事実上シン・コーポレーションの本業的存在になっています。前社長は元タイ首相のインラック・シナワトラさんです。
タイ証券所SETの証券取引コードはADVANCで、タイ証券取引所でも株式時価総額でトップクラスを維持する超優良企業です。どのくらい優良企業化というと2015年12月期の売上が5150億円、純利益が1292億円、純利益率25%と超エクセレントな経営状況です。2014年の統計ですが、タイは携帯電話は約9710万回線で、AISのシェアが最も大きく45.62%、次いでDTAC 28.85%、TRUE 24.36%と続きます。つまり、AISの1人勝ちなのです。
ということでAISの時価総額は、1.6兆円と巨額です。ちなみに、NTTドコモの2015年3月期の売上は、4.3兆円で、純利益が4100億円、時価総額は11.3兆円、純利益率3.6%です。
こう比較すると、全然AISの方が儲かっているのに時価総額がかなり低めなんですね。やっぱり、儲かってる会社で配当利回りも7.25%と桁外れですね。
まとめると、AISは元首相タクシン系のタイ最大キャリアで、シェア45%、売上5150億円、時価総額1.6兆円の超優良企業なのです。4Gでは、出遅れましたが、依然タイ最大のキャリアであり、経営的にも優良企業なのです。